抜き型、刃型について
カテゴリー : 樋口 シールのこと2016年06月21日
本日はシール専用印刷機において必ず必要となる『刃型(抜き型)』について少しご説明申し上げます。
もともとのシール原紙の構造は黄色や水色の剝離紙(セパレーター)の上に、同じ大きさの糊付の紙が貼り合せてある二層構造となっています。
よって紙の表面に印刷した後、四隅を断裁しただけのものでは、使用する(シールを剝離紙からはがす)時にとても剥がしにくくなるので非効率となります。
そこで、シールを剥がしやすくするためにこちらの写真のような『半抜き』の状態にして仕上げたり、剝離紙のほうにスリット(切り込み)を入れた仕様にしたりもします。
この『半抜き』の仕様とするために不可欠なのが『刃型(抜き型)』となります。
シール専用印刷機である平圧印刷機・凸輪印刷機・オフ輪印刷機の御見積書の内訳には必ず製品代、版代、刃型代、送料その他の項目が並びます。ただし、前回分そのままの増刷の場合は、版代と刃型代は流用いたしますのでご請求費用から外れます。
この中の刃型代についてですが、作成するサイズにより料金が変わり、最低料金は1500円(税別)となります。たとえば20mm×40mmでしたら1500円ですが、4倍の面積の40mm×80mmの場合は2400円となります。
続きまして刃型はどのようなものか、こちらの写真をご覧ください。
刃型はゼンマイ刃と呼ばれる巻尺状になっている一本の細長い刃を折り曲げてカットし、端と端をつなぎ合わせたものを台座に固定し完成させます。とても緻密な手作業となります。
完成した刃型を印刷機のユニットに組み付け、印刷と同時に刃を紙に押し当てて半抜き加工を施します。このように剝離紙まで刃が届かない位置まで、数十ミクロンという薄さの紙部分だけをカットしたもののことを『半抜き』といいます。
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