普通糊(エマルジョン系)と溶剤強粘糊(溶剤系)の違いとは
これまでも糊の種類は様々なものがあることを当ブログでも取り上げてきました。
本日はその中でも最も基本的な糊であるエマルジョン系糊と溶剤系糊の違いについて少し掘り下げてみたいと思います。
実はシール印刷においてとても重要な部分で、それぞれの糊の特性を理解していないと大きなミスとなってしまうこともあるためです。
糊の呼称は原紙メーカーごとに統一されていないためややこしいのですが、
エマルジョン糊:『普通糊』『一般粘着』『水溶強粘』
溶剤糊:『溶剤強粘』『溶剤普通』
などとされているので、その糊がエマルジョン系なのか溶剤系なのかは私どもは品名で区別しています。
左は普通糊と表示されているのでエマルジョン糊です。
エマルジョン糊をわかりやすい言葉でご説明すると、『やわらかい』『剥がすと糊残りしやすい』『水に溶ける』『寿命短い』『安い』『紙素材についている糊』となります。
右は溶剤糊ですね。『溶剤』と表示されているので分かりやすいです。
溶剤糊はエマルジョン糊に比べ『硬い』『剥がすと糊残り少ない(剥がすのは大変ですが)』『水に強い』『寿命長い』『フィルム素材についている糊』と覚えてください。
たとえばユポタックひとつにしても普通糊と溶剤強粘糊が存在します。
数年以上の長期間剥がれないようにしたいというご要望にはユポ溶剤強粘をおすすめしますし、数ヶ月だけ貼るものなのでとにかく安くしたいというお話であればユポ普通糊となります。しかしそこで貼る相手がたとえば衣服となると絶対に溶剤強粘にしてください、となります。エマルジョン糊は『やわらかい』『糊残りしやすい』『水に溶ける』と上記でご説明しました。それが理由となります。
このようにどちらの糊がよいかという点については『貼る相手が何か』にも注意することが必要となります。
最後に、エマルジョン糊と溶剤糊は透明樹脂なので見分けはつきませんが、私たちはある方法で判別する場合があります。
それはそれぞれの糊のやわらかい、硬いといった特徴からの見分け方法なのですが、まず机などの硬く平滑な面に軽く貼ります。そしてそれを斜めの角度にして『音』がでるようにサッと剥がします。その時ビリビリと甲高い音が出るのが溶剤強粘であり、少し鈍い音、もしくは音があまりしないのが普通糊です。
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