印刷業に転職して知ったワード
こちらのブログで何度か申し述べておりますが、私は大学新卒でレストランチェーン店に就職し、現場勤務の後に本部の販売促進へと異動しました。その後に転職をして今現在に至ります。ビジネス的には発注側から受注側に変わった、ということになります。
シールの印刷会社であるホクトエスピーへ転職した時は30台半ばで社会人としては十数年の経験があったため、一般的なビジネス用語は知っていたつもりでした。しかしながらその後も印刷業ならではのビジネスワードを知り、または教わることになります。
それでは、以下そのようなワードをご紹介します。
●甲片(こうへん)
『樋口さん、甲片忘れずにね。』
一体何のことでしょうか?そうとは言えずに『かしこまりました』と返事をして、後であわてて調べたことが思い出されるワードです。
これは荷物の送り主を『甲』、受け手を『乙』として、『片』は配達伝票の控えのことを言うそうです。よって、『樋口さん、配達伝票の荷物番号を忘れずに知らせてね。』ということになります。
●頭出し(あたまだし)
『頭出し可能ですか?』
これも配送に関係するワードです。
たとえば製本したカタログに誤植があり、20万枚の訂正シールを来週の月曜日納品という受注がありました。ところが今週の木曜にはシールを貼ってカタログを配り始めたい、となった場合にこのワードを用います。合計20万枚を仕上げる作業に数日間を要する場合、先に仕上がった分だけでも納品できないか?という問いになります。
回答例として『木曜に10万枚の頭出し可能です。』となります。
●小数または個数(こかず)
今度は発注数量に関するワードです。これは特にシール・ラベルのように台紙1シートに何枚かついている印刷物の数量確認時に用いられるとても大事なワードです。この『小数』を双方で厳密にしておかないと大変なことにもなりかねません。
『伝票上は1000(シート)で発注するけど、小数では10000だからね』
『ありがとうございます。1シート10枚付×1000シートで承ります。』
●なる早
答えはそのまま『なるべく早く』という意味です。『大至急』『急ぎ』と同じ意味合いです。
こうして活字にすると裏の意味があるのではないかと勘ぐってしまいます。つまり、これはメールや文章でなく会話中の口語で用いられることが多いと思います。