大至急という納期
よく、お客様からご注文をいただいた際に「大至急でお願いします」と伺ったり、私自身が発注する際も使ったりしています。
これはシール業界に限らず、ほとんどの業界でも耳にしたり使われる一文だと思います。
しかし、この「大至急」という言葉、捉え方によっては曖昧な表現なような気がします。
私にとっての「大至急」と、お客様や発注先の状況で「大至急」の意味合いや具体的な納期の日程にズレが生じる場合があり、案件によっては大変なことにもなりかねないからです。
かつて私が社会人になりたての頃、お客様とこんなやりとりがありました。
お客様「この案件、なるべく急ぎでよろしくお願いしますね。」
私「かしこまりました。大至急納品致します。」
お客様「大至急って、具体的にいつですか?こちらは製品の納期に合わせてこの先の予定を組むので、はっきりした納期を教えて下さい。こちらは、明日にでも納品して欲しいと思っています。」
この時に私はハッとさせられたのを覚えています。
当時の私はご注文をいただいてから、2~3日で納品でも十分早い納期と勝手に思い込み、その納期で作業を進めようとしていました。
でもそれは私にとっての「大至急」であり、お客様にとっての「大至急」ではないんだと痛感させられました。
更に、そのお客様に「大至急なんて納期はないんだよ」という、当時の私にとっては大変勉強になるありがたいお言葉をいただきました。
それ以来、大至急の時ほど具体的な日時を出すように、また私が大至急でお願いする時もまずは具体的な日時を伝え、その上で納期の打ち合わせをするよう心掛けるようにしています。
私も社会に出て20年以上になり、周りの方々やお客様からは「まだそんな当たり前のことを言っているのか」とお叱りを受けるかもしれませんが、今だからこそ今一度初心に戻り自分の仕事のやり方を見つめ直しお客様と心地良いお取引が出来るよう心掛けてまいります。