ペーパーレスの時代と言われて
ペーパーレスという言葉が世間で広まり始めた頃は、我々と同じ印刷業に携わる方は戦々恐々とされたことと思います。
ただ、その不安は杞憂に終わらず、ペーパーレス化のスピードは当初の予想を超えて遅々としつつ、ただ確実に、そろりそろりと進んでいることを実感した出来事がありました。
先日イトーヨーカ堂の木場店に買い物へ出かけました。
駐車場入口で、『駐車券の発行はありません』との表示が目に入り、入場ゲートが開きました。それまでは駐車券を発行しつつ『4時間まで無料』となっていたので、とうとう無料開放化か?と思いながら、車を停めて、それまで一日あたり数千枚以上であろう駐車券を納入していた業者さんは大丈夫なのだろうかと考えながら店内へ・・
そして普通に帰ろうと思ったら係員から『事前に精算をお願いします』と声をかけられました。一瞬、『駐車券もらってないよ~』と頭の中で返答しながら精算機に目を向けると、『お帰りの際はお車のナンバー4桁を入力し、確認ボタンを押してください』とあります。
その通りに入力すると、精算機のモニターに自分の車の正面画像が現れました。ちょっと驚きました。『こちらのお車で間違いありませんか?』ですって。
『進んでますね~』と後ろで見ていた警備員さんに声をかけ、イトーヨーカ堂を後にしたのでした。
帰宅の道中考えたのは、もし同じ番号の車があった場合は、複数台の候補写真が表示されて、どれかを選びつつもまったく同じ番号の人がいた!と、ちょっと親近感が湧いたりするのかな~とか、故障や停電などでデータが飛んじゃったらどうするんだ?やっぱり券が必要でしょ。いざというときは券が証拠になるし。あ、でも精算機が壊れたならアナログ対応しかないのは一緒か~など。
ペーパーレスで便利になることとそうでなくなることがあり、さらに便利かどうかは人によって感じ方が変わるのかもしれません。
少なくとも私はこの駐車券に関しては率直な感想が『進んでますね、便利ですね、エコですね』でした。
でもやっぱり駐車券を納入してた業者さんは・・・明日は我が身か・・となってしまいます。
シール印刷に関して申し述べれば、
大量部数の時代→少量多品種の時代→差別化・高級化の時代
ゆるやかにではありますが、そのような流れがあると思います。これからどのように変遷していくのか。
その時その時の『価値』を見極め、考え、柔軟に対応していくこと。
やはりそれが企業には必要なことで、かつ社会に貢献できることなのだと思いました。