シール印刷における『金』『ゴールド』の見せ方
本日は、たとえば御社の会社名やロゴマークを金ゴールドでシール印刷する場合の方法をいくつかご紹介いたします。
金色の文字・絵柄のシールを印刷・作成する場合、次のように4通りの方法があります。
また、今回はこのような『黒背景に金文字』のデザインとした場合でご紹介します。
①白地のタック紙に2色で印刷する
最も一般的な方法になります。黒と金のインク2色を使用します。金のインクについてはDIC619(赤金)やDIC620(青金)など色番号指定をいただくことで、同じ金でもイメージの相違がなくなります。
一方、この金インクでシール印刷する場合に、弱点となる要素を一つ挙げておかなくてはなりません。
それは、UV印刷により金の光沢感が暗く沈んでしまう、ということです。
UV印刷とは印刷するときにUV照射によりインクを瞬時に硬化(乾燥)させるものです。
シール専用印刷機の多くは<印刷>→<刃型による抜き加工>が同一の機械の中で作成できる構造のため、刃にインクが付着して溜まらないように印刷直後にインクを硬化させる必要があるためです。
金インクを使用しているので金は金なのですが、UVでない印刷での見え方より暗くなってしまいます。
たとえばこちらは透明フィルムに金1色で印刷したものですが、フィルム素材なので必ずUV印刷が必要となります。
このように金色はやや落ち着いた見え方になります。
②金色のタック紙に黒1色で印刷する
続いての方法です。
もともと金色のタック紙の地色の部分を活用して作成する方法です。ロゴ部分には印刷しない(インクをのせない)ことで金を表現します。
もともとの金色がそのまま見える方法のため、UV印刷による色沈みも発生せず狙い通りの金色が表現できます。
ゴールド素材のシールは紙素材の『金ホイルタック』とPET素材の『金ネーマ』があり、それぞれ『消(マット調)』と『艶(グロス調)』が選べます。
さらに『金ホイルタックは』通常の消または艶の金ホイルタック以外に『特色ホイル』が青金~赤金の微妙な色合いの違いで計9種類から最もイメージに近い金色をお選びいただけます。
このように、『地色の金を見せる』方法であれば製品になったときに金色のブレもなく、安定した品質のラベルが作成できることになります。
一方、今回想定している『黒背景に金文字』のデザインであれば印刷は1色でできますが、背景が『黒または黒に近いダークカラー』ではない場合は白おさえ(白インクの先刷り)が必要になりますので色数が増える分、印刷費も増加します。
③銀色のタック紙に2色で印刷する
②の方法に続いて、今度はもともとは銀色のタック紙に黄や茶を印刷して金色に見せる方法です。
銀ホイルタックに背景の黒インクと、文字部分には黄やピンク、茶などの特色インクの2色で印刷します。
2色ではありませんが、こちらはその方法で金を表現したラベルです。
②でご紹介した特色ホイル9種類の中にもイメージに合うものがなかった場合、もともと銀色のタック紙にしか扱いがない超強粘のタック紙で金色を表現する場合などはこちらの方法で対応することができます。
写真のラベルはレモン色寄りなゴールドになっています。
この方法の注意点としては、銀地に特色を印刷して出来上がるゴールドカラーは無限大となりますし、カラーチャートもありません。費用はかかりますが一度色校正をとられることをお勧めします。
④白地のタック紙に黒1色で印刷し、金の箔押しをする
最後に、単価はあがりますが最も高級感があるのは箔押しシールです。
『箔押し』は印刷ではなく、極薄の金フィルムを自由な形に切り取ってシールに貼り付ける、という表現が分かりやすいかもしれません。
箔押しの良いところは高級感が増すことに加えて、ほぼどのような素材のタック紙にも加工できる点です。白地の紙素材でもフィルム素材でも、色付きの素材でも、さらには印刷したその上からでも気にせず加工できます。素材選びの自由度が他と比べて格段に上がります。
注意点は0.5mm以下の細い線はきれいに箔押しできない、擦れてしまう場合がある点です。
本日はシール印刷で『金』を表現する方法のご紹介でした。
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