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腕時計 熟考

カテゴリー : 樋口の徒然なること2020年06月26日

 <樋口です。

これまで何度か登場している私の趣味、腕時計についてまたまた書き連ねたいと思います。

もう3度目ですがこれで最後になるかもしれませんし、また書くかもしれません。

そして今書き始めたばかりなので話が長くなるかもしれませんが、それもまだ分かりません。

 

今や一部のブランド腕時計は、買ってから数年使用した中古で5割増し、数十年後には10倍近い金額で売れるという事実もあります。

貴金属などより格段に価値の上がる投資対象として、またいざというときの保険となる現物資産としても投資家や富裕層に注目されているそうです。

ただ、今回の投稿もこのようなお金がらみの話ではなく、腕時計を趣味・ファッションとして観た内容になります。

--腕時計というものについて、以下はあくまで私個人の主観的な趣向・センスに基づいた経験から出た考え方、意見となりますのでその点だけお含みおきください。

 

前置きが長くなってしまいました。

そもそも自分が腕時計に興味を持ったのはいつからなのか思い出してみると、やはり『ファッション』に興味を持ち始めた中学生以降からの延長線上にあったと思います。

中学生の頃はまずは身嗜み、ということからムースやスプレー、ジェルを使って髪型を気にし始め、制服や通学バッグにも少し拘り出し、アルバイトから収入を得るようになって以降は徐々に私服、靴、服飾雑貨、アクセサリーときて、いつの間にか腕時計もファッションを構成する一部として興味を持ち始めたのだと思います。

髪型から始まり洋服にしてもアクセサリーにしても、それぞれにピークがありますね。ピークを迎えた後にまた自分の中でリバイバルするものもあれば、そうならないものもある。

髪型なんかはもう興味がなくなってしまいました。というより『今の髪型が今の自分に最も適していて心地いい、変化する必要がない』という心境になっているのだと思います。

そんなわけで、40代後半になった今、ピークを迎えているのは腕時計となっています。

洋服や靴、バック、眼鏡や財布などは今までの経験で自分に合ったもの、普遍的で心地いいものがある程度揃いつつあるのかもしれません。ただ腕時計に関してはこれまで触れる時間、知識が少なかったのだと思います。

ピークといっても、腕時計の世界はこうも奥深くて、それはとてつもない精緻な機構で、男の浪漫だ、美しい経年変化のヴィンテージ時計最高だ、この時計はレアもので苦労して大枚はたいて入手したんだ、マイコレクションにあれも欲しいこれも欲しい・・・などという熱狂的なものでなく、今手持ちのスーツや洋服、靴などにトータルで合わせやすい、デザインが好みで飽きにくそうな身の丈に合った腕時計はないかな~?と、時間をかけてゆったりと堅実的に楽しんでいます。

2、30代はそれこそ『ブランド』や『流行』を追ってきた感がありますが、今の私はどちらかというとシンプルで清潔感がある、トータルで見て小奇麗な着こなしで、かつ自己満足できるポイント(配色・ディテール)を忍ばせているのが好きなファッションです。そしてこの先もう滅多に着ないもの、身に着けないであろうものを何個も所有するのが苦手で、大体のアイテムがシーズンごと2種類、多くて3種類あれば事足りてます。

 

さて、ここからは腕時計そのものに対しての私のファッション観です。

そもそも時計は時間を知るための道具の一つです。だから時間を知れればどんな腕時計でも人それぞれ好き好きでよいと思います。スマホやパソコンでも正確な時間を知れます。だけど腕時計が好きな人は今も昔も世界中にたくさんいて、スイスを中心に腕時計メーカーは100年を優に超える歴史をもつ産業として繁栄・継続しています。

特にその歴史が長い機械式時計はクォーツ時計(電池によって駆動させる)に比べ『高価』『精度が劣る』のにも関わらず人気が衰えないと言われています。機械式時計が好きな人は、もはや時間を知るために腕時計を見るのと同時に、もしくはそれ以上に腕時計そのものの美しさ・格好良さを見るために腕時計を見ているのだと思います。デザインの良さ・普遍性についても歴史ある機械式時計に軍配が上がるのでしょう。

著名なコレクター曰く、『機械式腕時計は1970年代のクオーツ時計の台頭によるショックで時間を知る道具として完全に敗北した。それはつまり機械式時計は時間を見るものではなく美しさを見るものへ変化したことの始まりだ・・』やや宗教めいた感じですが、その流れはあると思います。

私も前述の通り腕時計はファッションの一部、として趣向しています。腕時計というものに対して未だ学びの途中ですが、機械式時計の方がデザイン性に優れて価値が高いと感じています。

また、腕時計は男性が最も個性を主張したり着飾れるものとはよく言われます。特にスーツ姿のビジネスの場においてはネクタイや革靴以上に装飾的要素が強いのかもしれません。男性に比べ女性はネックレスやブレスレット、指輪などビジネスシーンでも違和感のないアクセサリーは豊富ですね。

私も男性にとって腕時計はビジネスツールの中で最も自己表現ができるもので、それを身に着けることで仕事や毎日の生活へのモチベーションを高めてくれることもあると思っています。

そして、『ビジネス・冠婚葬祭用』と『私服・休日用』に、オンオフで分けて最低二つ所有するのが理想です。

 

まずビジネス用ですが、スーツやジャケットスタイルに適した時計の要素はある程度限定されます。

サイズ:ケース径が40mm以下であり、ケースの厚みが12mm以下であること

デザイン:シンプルデザインで視認性が高いこと

機能:日付表示があり、5気圧、または50m以上の防水性があること

この3点は不可欠だと思います。

一番目に挙げたのはサイズで、個人的に最も重視すべき点と考えます。

洋服や靴を購入するとき自分の身長や足の大きさに合った商品を選ぶように、腕時計も自分の手首の太さに合ったサイズ感が重要だと思います。大きすぎたり小さすぎたりすると見栄えや使い勝手が悪くなります。

腕時計は上から見た手首の幅に対して、ケース径が6~7割くらいになるバランスが最も良いそうです。日本人は欧米人に比べ手首が細いようですが、私も測ってみたところ手首の幅は55mmだったため、計算上では36mm前後のケースサイズがバランスが良いとされ、実際にそう思います。

ケースの厚みも含めてこのサイズ感であれば、シャツの袖口の中に腕時計もほどよく収まってくれるため、いたずらに腕時計ばかり主張して見えることもありませんし、仕事中にうっかり何かにぶつけて傷がついてしまうことも減ります。

二番目はデザインについてです。

忙しい仕事の最中に即時間が確認できるよう、視認性が高いデザイン、つまりシンプルな3針時計が良いと思います。クロノグラフ時計は男性に人気ですが、たくさんの目盛りや針がある、文字盤に『隙』のないデザインは視認性がよくありません。文字盤のカラーは白・黒・シルバーがビジネス向きかつ視認性も良いと思います。

最後の機能については『日付表示』や『曜日表示』はないよりあったほうが断然良いです。防水性についても、真夏では通勤や営業など外回りで多めに汗をかくことからこれくらいの防水性は必要です。

 

次は私服・休日用についてですが、『その人が好きなものを自由に好きにつければいい』という感じです。なんの制約もないものだと思います。

もしこれから永く愛用できるプライベート用の腕時計を探されている方がいるとしたら、私のような楽しみ方をお勧めします。

それは、購入を検討しているときに一目惚れや、人気のブランドだから、ではなく、何回も写真を眺めたり、頭の中でそれを身に着けた自分との相性はどうかイメージしたり、お気に入りの服装で実物を試着してみたりと、その時計は自分のパートナーとして常に身に着けていきたいと思える魅力が確かに存在するかどうかをゆっくり考えることです。

たとえば自分の休日の過ごし方、ライフスタイルを鑑みて腕時計のことをあれこれ考えることで、ライフスタイルそのものの視野が広がる可能性もあります。逆に腕時計そのものだけにのめり込んでしまう危険性もありますが・・・。

 

そろそろまとめとしますが、結局長文となってしまいました。

とにかく『腕時計』はこれまでもこれからも生活に色彩を与えてくれる素敵なものであると私は思います。