平圧シール印刷機の刷版(亜鉛版またはナイロン版)の作成方法
シールを印刷できる印刷機は数種ありますが、最も歴史が古く現在でも主力の稼働機といえるのが活版印刷の『平圧印刷機』です。
絵柄データから印刷するための刷版を作成、それを印刷機にセット、版を介して凸部に塗ったインクをシール紙へ転写。
このような流れが印刷のイメージです。
本日は平圧シール印刷機における印刷前の最初の工程=製版(データから刷版を作る)の方法をご説明いたします。
タイトルの通り、刷版には亜鉛製の亜鉛版と樹脂製のナイロン版があります。
どちらも平面の板を絵柄に沿って彫り込み、凸部がインクが付いて色が付く部分、凹部が色が付かない部分となります。
こちらは亜鉛版の写真です。
凸部が色が付く部分、凹部が非印刷部となります。活版印刷やハンコの原理といえます。
それでは、製版(データから版を作る)の具体的な方法を弊社ロゴシールの印刷を例にご説明します。
まずデザインデータはこちらです。
白地のシール紙に青1色で印刷をしたロゴシールのデータです。
こちらを元に刷版である亜鉛版を作成するわけですが、印刷する色がどのような色であってもデータは『黒1色』に変換します。
黒になっている部分を凸部にして上記の写真のような亜鉛版の実物を作成することになります。
このように、印刷1色のロゴシールの刷版用データはそのまま黒1色のデータに変更して完了です。
続いてはデザインのパターン別に刷版の作成方法を紹介いたします。
同じ青1色の印刷でも『ベタ白抜き』のデザインの場合はこのように『塗り足し部』を作成する必要があります。
その理由は、印刷した後に型抜きするのですが、印刷部の寸法と抜き型の寸法がまったく同じだとほんの少しの位置ズレによって印刷不良品(シールの端に白い部分が見える)がでてしまうからです。
それを防ぐためにシールの端まで色があるデザインには塗り足し部を必ず追加します。
最後に、青ベタ1色に黄色の文字で2色印刷の場合です。
その場合は見当合わせの為のトンボ付き刷版を2個作成します。
左側の青色用の版は先ほどと同様に塗り足しを付けます。
右側の黄色用の文字版は『毛抜き合わせ』の処理をして作成します。
毛抜き合わせの方法について、詳しくは先日投稿した吉田のブログをご覧ください。
https://www.hokutosp-blog.com/?p=3586