シールって何でできてるの?
シールの印刷会社である弊社に入社し、数多の種類の素材や印刷方法、加工方法を必死に学び続けて数年。
やっとおぼろげながらも仕事の流れに追いつけたかなと思いはじめた頃、ふと思ったこと。
そもそもシールのあの『糊』つまり『くっつく』という機能・素材は何で出来ているのかという本末転倒な疑問が生まれました。お恥ずかしながら。。
いまや便利な時代です。私が学生時代にはなかった『ネット』という辞書で調べてみたところ、糊はすなわち
『プラスチック』だそうです。
え?なんかイメージが違う。と思いましたが、正確には粘着性のある合成樹脂、つまりプラスチック素材の一種だとか。
なので新入社員にはシール・ステッカーの糊っていうのは、やわらかいプラスチックの一種なんだよ、と説明しています。『はぁ』という返事しか返ってきませんが。
その糊は大きく分けて2種類の性質のものがありますので今日はこの部分のお話です。
①『エマルジョン系糊』・・・これは『やわらかい』『寿命が短い』『水に弱い』といった特徴があり、紙素材の上質、アート、マットコートなどに塗布されていることが多い糊です。一般粘着とか普通糊と呼ばれています。
小話:何年もたってしまったセロテープが剥がれてしまっているのはそのセロテープの糊がエマルジョン糊であることを示します。貼ってから数年もたつと糊成分が変化し、接着機能が損なわれてしまうためです。
②『溶剤系糊』・・・こちらは『硬い』『寿命が長い』『水に強い』といった特徴があり、合成紙のユポ、PET、エンビなどのフィルム素材に塗布されていることが多いです。一般的には溶剤強粘と呼ばれます。
小話:某衣服ブランド大手量販店をはじめ、店頭で販売されている衣服にはSやMなどサイズシールが直接貼ってあることが多いと思います。あのシールの糊は間違いなく溶剤強粘を使用しています。もし間違ってエマルジョン糊のシールを貼ってしまった場合、環境にもよりますが大事な衣服に糊成分が移ってしまう可能性があるためです。
糊についてはこちらのページでも詳しく紹介しております→http://www.hokutosp.com/seal/paste.html