イラストレーター(Ai)の透明効果
今回はイラストレーターの透明効果についてご紹介します。
[透明効果とは]
透明効果はイラストレーターのバージョン9以降に追加された機能です。
オブジェクトの「不透明度」を下げることで重なった下のオブジェクトが透けて見えるようになります。
半透明の色付きセロファンを乗せて下のオブジェクトを見ているようなイメージです。
[透明効果の使い方]
①ウィンドウから透明タブを開きます。(ctrl+shift+f10)
②透明度を変更したいオブジェクトを選択した状態で不透明度のパーセンテージを変更します。
右側にある不透明度の数値を100%から下げると・・・
オブジェクトの不透明度が下がり、薄いピンク色に見えるようになりました。
簡単に設定でき表現の幅も広がるため、デザインに多く用いられる効果です。
[透明効果を使用したときの注意]
・見た目とCMYK値が違う
透明効果で困ってしまうのが見た目の色とカラータブで表示されるCMYK値が異なっているところです。
不透明度を変更したオブジェクトは一見すると淡い色を使用しているようにしか見えません。
下図を例にすると見た目は淡いピンク色でも、CMYK値を見るとM100%、Y100%の金赤と呼ばれる色であり、見た目と値の齟齬が出てしまいます。
・スポイトで色をとれない
例えば、不透明度を変更したオブジェクトを重ねて作った色を別の個所でも使いたいと思い、その部分の色をスポイトで拾おうとしても、表示されるのは重ね順が上のオブジェクトのCMYK値です。そのため、このままでは色が重なった部分のCMYK値がわかりません。
このような場合は、「透明部分を分割、統合」処理を行います。するとオブジェクトが分割されるため正しいCMYK値を知ることができます。
「透明部分を分割、統合」は下記の手順で行います。
①透明効果を使用しているオブジェクトを選択
②ウィンドウ→オブジェクト→透明部分を分割、統合を選択
③プリセットを高解像度へ変更→OK
・透明効果に対応していないソフトがある
冒頭でも触れましたが、透明効果はイラストレーター9から追加された機能です。そのためイラストレーター8以前のバージョンでは効果が適応されません。
・印刷の際に「透明部分を分割、統合」を行っていないとうまく印刷ができない場合がある
データの作り方によっては印刷をした際に透明効果が反映されない場合がございます。お客様の仕上がりイメージを損なわぬよう印刷するためにも、もし透明効果を使用しているデータをご入稿頂く際は、透明効果を使用している旨をお知らせいただけますと幸いです。
注意点が多くなってしまいましたが、透明効果はデザインの幅が広がるとても便利な機能です。
今回は単純な透明度の変更についてご紹介いたしましたが、他にも乗算や焼きこみなど多彩な表現が可能です。
ぜひ使用してみてくださいね。
データのご入稿に関してご不明な点がございましたらこちらからお問い合わせください。
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