できる大人の仕事の仕方(加算と逆算)
<樋口です。
「仕事」と「時間」は切っても切れない関係です。
同じ仕事をするのに30分かかるのと60分かかるのでは大違いです。
さらに一日にこなす仕事というものは多くの場合ひとつだけではなく複数の作業が複合的に絡み合っています。
ほぼどのような業種でも、そこで働く人間がチーム一丸で業務効率と生産性を上げ、限られた時間枠の中で利益を追求しなければなりません。
昭和の時代と異なり、現在は効率的に仕事をするためのデジタルなビジネスツールが広く普及しています。
とはいえ、それらのツールを上手に利用できるか否かは人間側にあります。数値化するのが難しい『経験値』や『熟練』といった部分も仕事にかかる時間の配分に大きく影響する要素です。
仕事ができる人。みなさんはどのような人物像をイメージしますか?
私がイメージする仕事ができる人とは、個の仕事と仕事全体を見渡せる視野の広い人、バランス感覚に優れた人だと思います。
また、仕事ができる人は仕事以外の部分でも趣味や好奇心があり、想像力豊かな方に多い気がしています。
そして、日々の仕事に対して集中と通常運転(休憩含む)の時間配分がうまくできる人。無駄がない人。
経験値が低いが故に忙しくて休憩もままならない、定時に仕事が終えられない日々が続くこともあるでしょう。暇でやることがない(思いつかない)、ただ時間をつぶす日々もあることでしょう。
それも経験の一つだと思います。
ただし、大切なのは現状の仕事のやり方は正しいのか、効率的なのか、生産性はどうかと自ら考えて修正していくことだと私は考えています。
行動は思いついただけではなかなか実現できません。重い腰を上げるには目の前のビジネスツールを使って、よく目を通す『やることリスト』にメモを残し、それを日々反復して見ることで優先順位や重要性も判断できるようにはずです。
「仕事」と「時間」の話に戻ります。
毎日業務時間内に自分に合った同じ量の仕事をこなし、充実感を持って定時に仕事を終える。会社の業績も安定していて不安も一切ない。
誰もが理想とする、日本社会も推進するような働き方です。
残念ながらそれが実現できている会社は半数にも満たないのが現実でしょうか。
ただ、そのような働き方・会社を実現するべく行動を起こし前に進むことは可能です。
極論すると、その理由はどんな仕事にも最初から絶対的な効率・正確性・生産性を兼ね備えたものはない、と言い切れるからです。
目の前の仕事には必ず非効率さや複雑さなど、仕事の理想郷の観点からは無駄となる時間がついてまわります。
この無駄となる時間の中で、真に無駄な時間を見極めて変わることこそが、会社または組織の前進になるのだと思います。
たとえばある日の午前中の時点で、新人のAさんには難易度の低い仕事が5つ、難易度の高い仕事を1つ抱えていたとします。
このような場合、あなたが仮に新人Aさんの場合下記からどの選択肢を選ぶでしょうか?
A 難易度の高い仕事から手を付け、終わったら難易度の低い仕事にとりかかる
B 難易度の低い仕事から手を付け、終わったら難易度の高い仕事にとりかかる
C 難易度の高さは無視して、自分の手元にきた順番通りにこなしていく
続いて、あなたが新人ではない会社員だったら上記の選択肢について下記の点に気付くと思います。
・どの選択肢にも、難易度に関わらず重要度や優先順位の概念が含まれていない。
・どの選択肢にも、6つの仕事以外のその日に発生するかもしれない仕事への時間の概念が含まれていない。
つまりは、自分だったらまず優先順位を決めて難易度の低い5つと難易度の高い1つの仕事にかかる時間を予測、自分なりに効率的な順番にこなしていく。
その間に追加される仕事があれば、当日または翌日以降に組み込んでいくし、追加がなく時間が余れば翌日以降の仕事を前倒ししたり、やることリストを消化していく時間に充てる。など。
新人ではないあなたなら、さまざまな角度から仕事の仕方、時間の使い方を工夫することができます。さらには、自分以外の人に手伝ってもらったり、逆に手伝うことがないか確認したりもできます。
このように誰か一人だけではなく、部署全員で仕事と時間の考え方を共有していれば、それは既に効率的な仕事をする組織・会社になっていると言えます。
先日弊社管理職の社員が部下と雑談しているときの言葉が耳に入りました。
「仕事の仕方には2通りの考え方があって、加算式と逆算式の二つがある・・」
その言葉だけが耳に入りましたので、どういう話の内容かは確認していません。
ですがおそらく加算式の仕事の仕方とは、まず目の前に認識している仕事に着手して、後から追加される新たな仕事を足し重ねていくやり方を指すのだと思います。
対して逆算式の仕事の仕方とは、目の前に認識している仕事は何時までに終わらせられるはず、だから新たな仕事はこの時間分だけ追加できるし、それ以上は翌日以降に組みこもうという考え方のことだと思います。
前者と後者の違いは時間計画のありなしです。言い換えれば前者は時間制限を設けずだらだらやることができます。繁忙期に追加の仕事が重なったら残業や仕事の遅れが生じそうです。上記のABCと同じ新人目線のやり方、考え方です。新人だから至極当然のことで、悪いということではありません。
後者は限りある業務時間から効率と生産性まで考えることができる、仕事ができる人の考え方です。この仕事に要する時間は○分、これは○分といった具合にその日のスケジューリングができている人、自分の能力を把握しつつ目標と計画が策定できている人でもあります。
このように、仕事ができる人、無駄がない人になるには目標・計画・時間の管理という誰もが教わった仕事の基本を実直に続けることがやはり近道であると思います。
社員を持たず独立している方、フリーターの方はまだしも、人と人の力を合わせて成り立つ組織においては仕事ができる人になるために必須の働き方です。
以上、私なりに仕事ができる人についての考察を書き連ねました。全てではなくても、どなたかに共感する部分や小さな気付きがありましたら幸いです。